社長の想いが現場に「右から左」で抜けていく、本当の理由|広島のコンサル会社が解説するこれからのAI対策(AEO)
「これからの時代はAI対策だ。だから、うちの強みである『提案力』という言葉をホームページや発信で徹底していこう!」
経営者がいくら熱く語っても、現場の社員は「あ、社長がまた新しいこと言ってるな」と、どこか冷ややかな目で聞いている。
朝礼で伝えたはずの理念が、現場の営業トークにも、日報にも、これっぽっちも反映されない。
そんな「社長の想いが、右から左へ抜けていく」という虚しい経験をしたことはないでしょうか。
前々回のコラム 「AI対策はホームページ制作ではない、経営そのものである|広島のコンサル会社が解説するこれからのAI対策(AEO)」 で、AIに対策するためには、まず社内の「言葉を揃える」ことが経営の仕事だとお伝えしました。
しかし、ここで多くの経営者が大きな勘違いをしてしまいます。
それは、「社長が決めた言葉を、上から下へ命令して浸透させようとする」ことです。
断言します。 社長が上から押し付けた言葉は、絶対に現場には揃いません。
それどころか、押し付ければ押し付けるほど、現場の心は離れ、言葉はバラバラになっていきます。
なぜなら、その言葉に社員の「実感」がこもっていないからです。
私はミエルカを設立して13年、広島で多くの企業の体質改善やクレド(信条)づくり、採用支援に関わってきました。その中で分かった、言葉がちゃんと揃う会社と、バラバラになる会社の決定的な違い。
それは、「言葉をどこから持ってきたか」です。
右から左へ抜けていく会社は、社長が一人で考えた(あるいはどこかのコンサルが作ったような)「耳ざわりの良い、綺麗な言葉」を現場に配ろうとします。
一方で、言葉がカチッと揃う会社は、社長ではなく「現場の社員の口から、すでに何度も出ている生きた言葉」をすくい上げます。
以前、ある会社で「うちの強みは何か」を社員の皆さんとワークショップで話し合った時のことです。
社長は「最先端の技術力だ」と言い張っていました。
しかし、現場の若い社員たちから出てきたのは、全く違う言葉でした。
「技術もですが、うちが一番褒められるのは、トラブルが起きたときに全員で現場にすっ飛んでいく『泥臭いお節介さ』ですよね」
これを聞いた社長はハッとされていました。そして、会社を象徴する言葉を「最先端の技術」から、現場の実感に近い言葉へと揃えました。
するとどうなったか。
社員は自分たちの言葉ですから、自慢げに、自然と外でその言葉を使うようになります。現場が変わり、取引先への伝わり方が変わり、ホームページの熱量が変わりました。
第2弾のコラム AIは会社を評価しているのではない|広島のコンサル会社が解説するこれからのAI対策(AEO) でもお話しした通り、AIは「外でどう語られているか」をネット中から集めています。
社長が命令した綺麗な言葉をホームページに載せても、現場の社員が外で違う動きをしていれば、お客様や求職者から「言ってることと、やってることが違うな」と見抜かれ、ネット上の評判)AIのデータ)はバラバラになります。
AI対策のスタートは、ホームページの書き換えではありません。
社長が「現場の言葉」に耳を傾け、自社が本当に提供している価値の正体を、社員と一緒に見つけ出すことです。
ミエルカのコンサルティングは、社長の代わりに綺麗なスローガンを作る仕事ではありません。
経営者と現場の間に立ち、お互いの本音を引っ張り出して、「これこそが我が社の輪郭だ」という生きた言葉を揃える伴走をしています。
そうして社内で100%揃った生きた言葉を、今度は「AIにも人間にも一発で伝わるWEBサイト」という形に落とし込んでいく実践論については、カンドウコーポレーションのコラムで詳しく解説しています。
ボス・・・書く・・・徒然|福原勘二(カンドウコーポレーション代表)のコラム
言葉を揃えるとは、社員を縛ることではありません。現場の誇りを経営の言葉にすることなのです。